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私と真那智先輩、二人が入った喫茶店は外に机や椅子が置いてあり、レジが通りにも面している、いわゆるオープンカフェだった。
建物の中にも席は設けてあったが、真那智先輩は私に外の席で待つように指示した。
夏の暑い日差しをパラソルが遮る。どこからか流れてくる風が肌を撫でて心地よかった。
なるほど、外もなかなか良いものね。
やがて、グラスを両手に持った真那智先輩が戻ってくる。
片方のグラスを私の前に置いてくれる。
アイスの乗った黒色の飲み物。コーヒーフロートだった。
「ありがとうございます。とっても美味しそうです」
「どういたしまして。遠慮せずにね。私の感謝の気持ちだから」
こんな時、無用な遠慮はしない方がいい。
差し出されたものを褒めるのがベストな対応。
だけど、私は演技をする必要なんてなかった。
「これとっても美味しいですね!! ありがとうございます、とても気に入りました!!」
コーヒーフロートは本当に美味しかった。
アイスをスプーン兼用のストローで掬い、口に入れた瞬間に広がる濃厚なミルクの甘味。
飲んだ途端に舌に伝わるコーヒーの苦味。
その二つが絡み合い、お互いの良さを何度も味わえる至福。
良質な材料を使ったアイスとコーヒーというのも、すぐに分かった。これ一つの値段が気になるところだったが……
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