33人が本棚に入れています
本棚に追加
「それに、本当はアナタだって自殺願望を持っているのでしょう?」
……その通りだけど。
「だからこそ余計に腹が立ち、憎しみを抱いた。でもそれは、同じ苦しみを理解している、ということでもあるの」
……
「あの、茜さん……もっと自分を信じてもいいと思いますよ」
「そう。現にワタシ達の本来叶わぬ再会が実現している。
これは、アナタが望んだからこそ、虎青高校という存在が汲み取ったに他ならない。
だから、どんなに否定しようと、アナタには優しい心がある。それは疑いようがないわ」
「…………」
私は目を瞑り、彼女達の言葉を反芻していた。
二人ともが、私を肯定してくれるのはとても嬉しい。
彼女達が懸命に掛けてくれる言葉を信じて、私の持つ清い部分を認めても良い気すらしてくる。
でも、だからといって残酷な一面まで許してしまっていいのだろうか?
割り切ってしまって、いいのだろうか?
「ねぇ、美奈穂。貴女はさっき、階段の踊り場で言ったよね。アナタは間違っていない、って。
それって、一体どういう意味で言ったの? 理由さえあれば人を殺すことも正しいということなの?」
ふと思い出した疑問を、私は縋るようにぶつけていた。
最初のコメントを投稿しよう!