第十章:真実の落花

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「それに、本当はアナタだって自殺願望を持っているのでしょう?」 ……その通りだけど。 「だからこそ余計に腹が立ち、憎しみを抱いた。でもそれは、同じ苦しみを理解している、ということでもあるの」 …… 「あの、茜さん……もっと自分を信じてもいいと思いますよ」 「そう。現にワタシ達の本来叶わぬ再会が実現している。 これは、アナタが望んだからこそ、虎青高校という存在が汲み取ったに他ならない。 だから、どんなに否定しようと、アナタには優しい心がある。それは疑いようがないわ」 「…………」 私は目を瞑り、彼女達の言葉を反芻していた。 二人ともが、私を肯定してくれるのはとても嬉しい。 彼女達が懸命に掛けてくれる言葉を信じて、私の持つ清い部分を認めても良い気すらしてくる。 でも、だからといって残酷な一面まで許してしまっていいのだろうか? 割り切ってしまって、いいのだろうか? 「ねぇ、美奈穂。貴女はさっき、階段の踊り場で言ったよね。アナタは間違っていない、って。 それって、一体どういう意味で言ったの? 理由さえあれば人を殺すことも正しいということなの?」 ふと思い出した疑問を、私は縋るようにぶつけていた。
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