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美奈穂は静かに首を横に振る。
「アナタは思い違いをしている。
アナタは誰一人として殺してなどいない。
そして、ある意味、七人が殺されたのはアナタのせいですらないとも言える」
「でも、美奈穂は私が七不思議を起こした犯人って言ったわよね?」
「七人の断罪を望んだ、という点では、アナタが犯人、つまり七不思議が起きた原因と言える。
けれど、それはあくまで虎青高校という存在が勝手にアナタの意思を実現しただけのことなの。
アナタは、本気で彼等を殺す気なんてなかったのでしょう?」
「そんなの当り前よ……どんなに憎くたって、殺すなんて短絡的なこと思うわけがないわ」
話の途中だったけれど、どうしても聞きたい疑問点があった。
「ねぇ、美奈穂。アナタがさっきから言っている虎青高校の存在って、一体何なの?」
そう。彼女が何度も口にする言葉。
私は横目で校舎を見遣る。
教室の半分くらいが浸水で真っ赤に染まっている。ベランダには水は来ないが、もう校舎に入ることは出来ないだろう。
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