第十章:真実の落花

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「そして、力が発動した時、それは人間の眼には不可解に映る。 アナタが今日体験した通り、 扉や窓が一切動かなくなったり、 突然有りもしない曲がり角に人が消えたり、 人がキャンバスの中に閉じ込められたり、 いつの間にか料理が用意されていたり、 マネキンが授業を行ったり、 ベランダに連れて行かれて血塗れにされたり、 校舎が真っ赤な水に沈んだり、 何もないのに首を吊られたり、 死んだ人間が存在したり、 …… これらは全部、常識の外にある出来事。 人はこれを、超常現象と呼ぶ」 私は外の景色に視線を向ける。陽の傾いた空を遠い目で見ながら、今日起きたことを振り返っていた。 確かにあれは人の手では行えない。超常現象としか言いようがないわね。
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