第二章:不通の節理

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足六本、三人分の足音が廊下に響く。 基本的にバラバラの足音がたまに重なったりと、刻一刻と変化するリズムになんだか楽しい気分にさせられる。 私の前方を護衛(あるいは連行?)するように歩く二人の男女。 右斜めの厳つい男子は七塚 健吾(ななつか けんご)。 角刈りで中身の詰まってなさそうな頭。タンクトップからこぼれ出る隆々とした二の腕。体育会系の人だ。 そして、左斜めの不気味な女子は白藤 睦美(はくとう むつみ)。 顔の半分を覆い隠す汚れた前髪。弛緩しきってダラリと垂れ下がる両腕。関わりたくない系の人だ。 ちなみに二人とも二年生。 失礼なことを言うが、私と同じ私服ということを抜きにしても、この二人は生徒会室という聖域に相応しくない。 やはり、舘峨家先輩のお友達(という名の犬?)ということかしら。 ただ七塚先輩に関しては、私が名前を尋ねると自分と白藤先輩の分まで教えてくれたので、見た目ほど悪人ではないらしい。
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