第一章:虚構の番人

3/16
前へ
/260ページ
次へ
………… 少年は声がしなくなったことに気が付いた 気が抜けて体が弛緩する 友人が驚かすのをやめたのだろうか 途端に、取り乱したことが恥ずかしくなる 変化はまだあった 気温が下がったのか、夜の寒気がさらに増したようで…… 肌を刺すような冷たさが足から…… どうして 少年はゆっくりと下を見る そこに いたのは 足がなく、腹が裂かれた老婆がいた!!!! 眼球のない虚空の双眸が少年を見据える!!!! オイテイッテ……アナタノカラダ ぐぎゃあああがあああああががあがあががあがあああががあが!!!!!! …… 翌日、複数の少年少女の遺体が墓地で発見された 遺体の損傷は激しく、欠損した部位が多かったという 一部の者は、この事件を怨霊の仕業だと言う 墓地の裏にある廃病院 数十年前まで、病院から出た死者は無残にも墓地の一画に遺棄されていたという 遺棄された遺体も、体のあちこちが破損していた 病院内で行われていた凄惨な何か 今となっては誰にも分からない 捨てられた死者を除いては
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加