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………………
先生の怪談が終わると同時に、教室内に張り詰めていた緊張が解ける。
「ふう……」
私、茜 香子(あかね かおるこ)にとっても緊張していたのは同じ。思わず安堵の息を吐いてしまう。
クラスメイトの反応はまちまちだった。怖くて身を震わせる者、純粋に怪談を楽しむ者、何故こんな話をするのかと憤る者、中には寝ている者もいるけれど。
「つまりだ。深夜まで遊ばない。危ないところには行かない。先生はそう言いたいわけだ!!」
先生が怪談を教訓としてまとめる。
このクラス担任の悪い癖として、急に怪談を始めることがあげられる。注意事項は普通に伝えて欲しい。
「さあ!! 先生からはこれだけだ。夏休みだからって羽目を外し過ぎるなよ。茜、号令を頼む」
号令はクラス委員である私の仕事。
「起立!!」
全員が勢いよく立ち上がる。普段より反応が早いのは、早く帰りたいからだろう。
「礼!!」
ここ、私立虎青高校は明日から夏休みが始まる。私にとっては必要のない夏休みを、自身の号令で始めてしまった。
イヤヨ…イヤ
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