プロローグ

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こんなことが本当にありえるのだろうか? 俺は今、広さ3畳程度のマイルームにてぼんやりと薄く青い光を放つ骨と向き合っている。 それもよく理科室に置いてある骸骨とよく似ているというか形はまるっきりそれと同じやつだ。 骨の一本一本がやたらリアルなので迫力は段違いだが。 それが襟元に白いふわふわしたファーのような物がついている黒い綺麗な法衣を纏っている。 両手は上に挙げていて、その拍子なのかは分からないが全長3m、刃渡り1,5mはありそうな柄から刃まで漆黒の大鎌が窓際のカーテンの隙間から溢れる太陽の光によって怪しくも艶やかな雰囲気を放ち、フローリングに突き刺さっていた。 何故こんなことになっているのか、当たり前だが俺にはさっぱり分からない。 見た感じだとこいつは恐らく死神というやつなのだろうが少なくとも俺が何かしらの儀式を用いて召喚したわけでもなければ、死んだからお迎えに来たということもないだろう。 ない…と思いたい。 そこで俺は朝起きてからこの骸骨と会うまでのことを思い出してみた。 俺の名前は斎藤 啓 歳は19でそこら辺にいる普通の大学生だ。 体格は、身長175cm 体重56kgと少し細いが割りと普通。 容姿も黒髪黒目でThe フツメンと言うくらいのものだと思う。 そんな俺は現在大学生の特権である長い春休み中であり、バイトも用事も何もない今日は溜まっている好きなアニメやゲームを消化するべくニート化するはずだった。 両親は二人とも働き者で朝早くから仕事に出掛け、10歳離れた弟も一人いるのだが小学生なので朝はさっさと家を出ていく。 そんな家庭なのでのんびり寝ていた俺が起きた午前9時には誰も家にいるはずもなく、ご飯を炊き、味噌汁と目玉焼きを簡単に作って朝食を済ませたら自室に戻って手始めに某厨二病アニメから見始めたのだった。
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