プロローグ

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背もたれ付きの椅子に座り、我が相棒であるノートパソコンを立ち上げ、くみん先輩かわえ~などと思いながらアニメを見ていたのだが、ここで俺は何を思ったのか昔こじらせた厨二病が少しウズキだした。 今思えばどうしてこんなことをしたのか分からないが、きっとその時の俺の気分は最高にハイってやつだったのだろう。 「ククッ、闇の者よ。そこに居るのは分かっている…。 動けば命は…」 と言ったところで腰掛けていた椅子をくるりと回転させ、「ない」と繋げようとした決め顔の俺はそこで固まった。 凄く強そうなオーラを纏った骸骨が思わず「あ、マナーモードでお願いします」と言いたくなるくらいにカタカタ音を出しながら両手を挙げてこちらを見ていたのだ。 起きた所から回想を始めてまだ数十分しか経っていないが回想が終わってしまった。 が、改めて言おう。 どうしてこうなった! これまでの間に俺がこの骸骨を呼び寄せるようなことはなかったと断言していいだろう。 むしろ真のニートの方々に「最高の出だしだ」とお褒めの言葉を与れるのではないかというくらいの朝だと思う。 それとも19歳にもなって厨二病を少しでも再発させたのがいけなかったのだろうか。 もしそうだったりしたら日本人男性の5分の1くらいはこいつに会える気がする。 さて、なぜ俺がこの世のものとは思えないバイブ機能持ちの骸骨を前にしてこんなにも冷静でいられるのか。 それは、この骸骨の身長が160cm程度しかないからだ。しかも側頭部にリボン付きで絶賛ガクブル…いや、カクブル中。 これが高い位置から平然と見下ろされでもしていたら、間違いなく俺は下半身の装備を変えざるをえなかっただろう。 不可抗力とは言え骸骨でもこんな状態になってしまっていてはいくら小心者の俺でも怖がる前に相手を気遣ってしまいそうになる。 てか死神って命あるのかね?動いてるからには死んだりするのか? とりあえずこの骸骨以外にこの状況を説明できるやつはいないのでこいつに説明を聞いてみることにしよう。 にしてもこの状況から死神であろう骸骨と話すにはどう話しかけたらいいんだろうか。
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