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「えっと…………………え?」
ふと背中が痛くて目が覚めた俺だが、自分の今の状況が理解できなかった。
なぜか……それは、俺が全く知らない見覚えのない部屋の真ん中にいたからだ。
「ここは一体…………」
部屋の広さは大体六畳くらい。薄暗いけど、部屋全体ははっきりと見えるくらい
だ。窓もドアも、この部屋を出入りする入り口が全く存在しない不気味な部屋。
「おいおい、金持ちでもなんでもない野郎を誘拐か?……ん?なんだあれ」
別にそこまで焦ってはいないが、少し動揺しながら周りを見てみると、一枚の真っ白な紙が落ちていた。小さい文字で何か書かれている。
「えーと、『密室に閉じ込められたわりにあんまり取り乱してませんね。』………いや、どこから見てるんだよ。つーかこの紙どこから出てきた!?」
そんな俺の呟きに答えるように、俺が持ってる紙に文字が浮かび上がった。さっき読んだ文の下にだ。
「『そりゃ企業秘密ですよー(笑)まぁ私ダンジョンマスターですし、基本なんでもできますよ。』……企業秘密とかいってネタバレしてるし。まずダンジョンマスターってなんだよ?つーかこの紙なんか不気味……」
立て続けに言った俺の言葉に一つ一つ丁寧に答えるようにまた文字が浮かび上がる。不気味なんだけど……あんまり驚きとか感じない。なんでだろ?
「『あ、ネタバレしちゃいましたね。まぁいいや。別に困ることでもありませんし。ダンジョンマスターというのは、ダンジョンを作成し、侵入者をたちと戦う者たちですよ。文字が浮かび上がることに関しては……まぁ、我慢してください。』」
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