目が覚めたら変な場所でした。

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「つーか、何でステータスが数値化されてるんだ?」 『さぁ?細かいことは気にしちゃ負けよ。そんなことより……』 そんなことって……俺にとってはこのステータスはかなり不名誉なんだが。 『圧倒的弱者、だっけ?あれ、凄く使えるわね』 圧倒的弱者はもうやめてくれよ……かなり傷ついてるんだからさ。 「使えるって、どういうことだ?レベルが上がってもステータスが上がらないなんて俺からすれば最悪だぞ?」 『確かにそこら辺の雑魚にすら瞬されるわね。でも、最初のモンスターとアイテム、それに罠とフロアが初回限定とはいえポイント消費しないのよ?これはおいしいと思わない?』 いや、まずそのポイントとやらの説明をしてほしいんだが。なに?モンスターを作るのにポイントなんているの?そのことを聞くと、 『あ、その説明がまだだったね』 もう、君が遮ったりするから……と言って説明の続きをし始めた。ああ、そういや俺が止めたんだったな。 『まずモンスターを生成するにしても、アイテムを作るのしても、罠の設置にもフロアの設定にしてもポイントを消費しなくちゃいけないの。最初は1000ポイント支給されるんだけど、あとはダンジョンの侵入者を殺したり、気絶させたり、撃退すればポイントは手に入るよ』 んー、まぁ確かに無料でいくらでも作れるなんてチートだもんな~。まぁそれくらいのルール(縛り)がないとつまんねーよな…………いや、ちょっと待て、 「…………殺す?」 この女は今、何て言った? 『ん?うん。殺すんだよ。ダンジョン作るんだから、それくらい当然じゃないの』 …………本気で言ってるのかよ。だとしたら、この女は………… 「…………お前は、人間のグズだな」 『それは侵入者を殺したから?だとしたらそんな道徳は捨てた方が身のためよ。何せ───』 そこで女は一度言葉を切り、笑顔で、冷たい視線を俺に向けながら、絶望的なことを言った。 『侵入者たちがダンジョンを攻略したら、ダンジョンマスターは死んでしまうのだから』
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