2章-とある過去

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「なんだ…?もしかして NPCってのも分かって ないのか…?」 見過ごすわけにもいかず 俺は声をかける。 「えーと…あんた もしかしてプレイヤーと思って 話しかけてる?」 なんだお前?と怒りを混ぜながら 男が一言返す。 「当たり前だろうが! この世界で生きてねぇ人間が いるかよっ?!」 はぁ…と思わずため息をつく程 呆れてしまった。 この男…単純に この世界の事を知らなすぎる。 その割にその装備… 明らかに上位ランクのプレイヤー が持っててもおかしくない 装備でキッチリ固めている。 色々と疑問すぎるが こんなプレイヤーも存在 していた事に一番驚きを 隠せなかった。 「ま、まぁ…色々と教えたい 事が多いが…とりあえず あんたの名前は?」 色々と察したのかどうかは 分からないが案外気前よく 男は応えてくれる。 「俺か?俺の名前は リードっつうんだ! リアルの名前まで言った 方がいいか?」 なんとまぁ…横暴な口調の割には しっかりした応対の仕方に ますます驚いてしまう。 「いや、そんなに丁寧に ならなくて大丈夫だよ」 驚きを隠すように 答えながらふと思う。 ーさすがに世界はどんな 場所でも色々な人がいるー こんなやつやあんなやつ。 実に様々だ…。 だからこそ面白いんだ… 俺が求めてたのはこういう… 何気ない環境…何気ない… 毎日だ…。 実に気楽に生きているように 思える、この目の前の男に ある意味憧れを覚える。
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