一章‐あの世界へ

3/6
前へ
/12ページ
次へ
始まりの町へひた走りながら 景色を見ていると 多分ライフゲージか? その表示のすぐ側に名前が 載っていた。 『ライト』とローマ字で 書かれている。 この名前はもちろん 俺の本名でもある 『吉良來人』 から取った名前だ。 リアルの俺の 容姿などには勿体ない 名前だと思うが。 …そうこうしている内に 町にやっと着いた。 「15分か…。 ま、俺にしては早い方 だよな…うん。」 マイペースにも程が ある発言である。 仲間に聴かれれば 間違いなく罵声が 飛んでくるだろう。 ―と、その時だ。 どこか向こうから 聞き慣れた声がする― 「ライトっ!遅ぇよっ! 15分も待ったぞ!」 そうか、声の主は やっぱりお前だったか。 こいつは『佐久間太志』。 時々テンション高く 発言する奴だが実際 リアルでは1番に 仲が良かったりする。 「リアで今度なんか 奢れよぅ~?」 そしてからかい半分ながら ハッキリとした目で 俺を見つめるのは 『天城戒』。 基本脳天気で何も考えて ない日の方が多いのでは なかろうか。 「スマン、ちょっと 考えてたら時間 喰っちった。 ちなみに…二人共準備は?」 「とっくに完了した!」 「終わったよ~」 二人同時に聞こえる声に 若干の申し訳無さと ダルさを覚えてしまった のはここだけの秘密だ。 「あれ、例のもう一人は?」 「ん、武器調達忘れた らしくてさっき慌てて 走っていったよ~?」 なるほど、相変わらずの ドジっ子っぷりだ。 だがいいタイミングだ。 俺もまだ武器屋にすら 行ってなかった。 「そうか。…じゃあ俺も ちょっと失礼っ」 「ちょ!また 待たせんのかよっ!」 「早く戻ってこいよ~?」 二人にある意味 見送られながら俺は 武器屋へ走った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加