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いやーな予感のせいで、電話を握る手にはやたらと力が入っていて、手は震えるし声はさっきよりもなお低くなっている。
だが、ようやく寝たトコを叩き起こされて。
こんな理不尽なことされて。
一体誰がそんなオレを責められるって言うんだっ!
「そうだよっ!」
だが一般常識をカケラも持ち合わせていないその声の持ち主は、非情なまでに無邪気な口調のまま、思いっきりそれを肯定してみせた。
「ゆうべ……って言っても会社から帰るときだから、もう今日になってたんだけどね?
そぉんなこと思いついちゃってぇ、しばらくは1人でおとなしーく考えていたんだよ?
でもさぁ、やっぱりいてもたってもいられなくなっちゃってぇ。
朝になったら、すぐにあっくんに電話しようって心にかたく誓ったんだ!
きっとあっくんも、そんなのあったら良いねって、言ってくれるって、絶対に思ったんだ!」
「まさか本当に、その同意を取るためだけ、に?
こんな朝っぱらから、電話してきたってわけか?」
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