これもよくある日常風景

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「し――――――――――――い―――――――――――!!」  震える声で名前を呼ぶ。  いい加減こいつとの付き合いも長いが、今度こそきっちりと縁を切ってやるっ。  今日の今日こそ、言わせてもらうぞっ。  積年の積もり積もった恨み、つらみをっ。  だがしかし。 そんなオレの決意も、そぉんなのどこに吹いてんの?な感じにしか思っていないだろ、お前っ。  と言う感じの、のほほ~んっとした声が電話の向こうから聞こえてきた。  「はいは―――――――いっ。 でね? あっくん。 こっからが、とぉっても大事なんだけどね………………」  しいの声が、突然真面目なトーンになる。  そのせいで、オレは先程までの怒りモードを、急にどこへ持っていけばいいか少し迷ってしまった  そしてオレはその生じた迷いによって、ついうっかり、しいの言葉に耳を傾けてしまった。  「付き合って。」  はぁ? な、な、な、なんなんだぁ?  いきなり、放り投げられてきた予想だにしていなかった単語に、オレの頭の中には混乱の嵐が吹き荒れる。  それでも、きわめて冷静を装い、内心の動揺を必死の想いで押し隠してオレは聞き返した。
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