これもよくある日常風景

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 ところが、ある時起こった猟奇殺人事件にコミケのスタッフと常連のロリ系の有名サークルの主宰が絡んでいたことがあった。 それはちょうどその時期、芸能ネタにも政治ネタにもめぼしいものがなかったワイドショーや報道番組に取り上げられ、ものすごい勢いで日本だけにとどまらず世界中に配信されてしまうような大変な事態を引き起こした。 しかもその方が衝撃的で視聴率がとれると思ってなのか、取り上げ方はまるでドージンやってる奴は変態で犯罪者で危険人物確定、みたいな報じられるような内容のプログラムが多数派を占めていた。  当然、世間の皆様からのドウジンへの風当たりは氷点下以下に下がり、まるでふきっさらしのブリザードの中にずぶぬれのまま放り出されたゾウキンみたいな扱い、いやそれ以下だったかもしれない。 そしてコミケはそんな世間の冷たい風評被害の嵐が吹き荒れる中では開催会場を確保できなくなり、最終回を迎えることになってしまった。  オレが超絶とんでもない女、しいの奴と出会ってしまったのは、ちょうどそんな時だった。
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