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「絶っ対、乗り物がいるわよねっ?
ね?
そう思わない?
あっくん。」
どこに。
なぜ。
どんな乗り物が要るってんだ!
大体、主語抜いていきなり会話に入るその癖をいいかげん直せってなんべん言ったと思ってんだっ!
文章を人にきちんと伝えるために必要な5W1Hをおまえにレクチャーしたのは1度や2度なんてレベルじゃないんだぞ!
なんて感じに。
俺の頭の中ではしいに対しての文句が嵐のように渦を巻いていた。
だが睡眠不足な上に叩き起こされたばかりなオレは、その言葉をいつものようにガンガン吐き出すことはできなかった。
「……何が、だ?」
ようやく口にできた、ひと言は、たったそれだけだった。
それでも、さすがにオレの気分は口調に表れていて、すざまじく相当に本っ気で低かった。
なのに気が付いていないのか、それとも気が付いていて、ワザと無視してんのか(多分、間違いなく後者のはずだ)しいの奴は能天気に明るい声で、あっけらかんと言った。
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