どうせならぬるま湯で。

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「帰り際にコーヒーでもぶっかけてやればよかった。」 さっきの女性にコーヒーをぶちまけるシーンが鮮明に浮かび 少しスッキリとした。 こんな晴天に髪の濡れた女が街を歩く光景なんてネタでしかない。 自慢のストレートヘアがだいなしだわ。 「瑠伊、ほんっと、まじでごめん!」 顔の前で拝むように手を合わせ 申し訳なさそうに謝る彼が鬱陶しい。 「普通に生きてて、こんな事そうそうないから。」 「…ごめん。」 さっきから、こんな会話の繰り返し。 怒りが収まらない。 どうしてこうなったんだ。 「…あの人元カノじゃないんだよね?」
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