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「……とまぁそういうわけなんだけど」
僕は父さんに七瀬のことを色々掻い摘んで説明した。
すると父さんはなるほどと唸ったあとに『七瀬ちゃんに代わってくれ』と言ったので僕は言われた通りに七瀬に携帯電話を渡す。
「姫宮七瀬と言いますです。はい……はい……」
一体どんなことを話しているのだろうか。父さん七瀬にセクハラしてなければいいんだけど。
七瀬に携帯を渡してから約十分。電話を終えた七瀬がリビングに帰ってきた。
「父さんなんだって?」
「隼人をよろしく頼むって言われましたです」
「は? いや、僕は七瀬のことを相談したはずなんだけど……」
「ごめんなさい、はしょりすぎましたです。帰るところがないって言ったらここにいていいって言ってくれまして、それは流石に申し訳ないって言ったら、それなら隼人の身の回りの世話をしてやってくれって言われましたのです」
それってつまり七瀬がここに住むってことだよね?
確かにこの広い家の管理を手伝ってくれる人がいたら助かるけど、思春期まっさかりな男の子に同い年の女の子との同居生活ってのはちょっと……
「そうだ、私は居候の身で隼人はこの家の主人なんだからこれからはそれ相応の態度を示さないといけませんよね!」
嫌な予感しかいない……
「姫宮七瀬。これからこちらでお世話になります! よろしくお願いしますねご主人さまっ!」
梅雨の季節のある日のこと、僕は浜辺で同い年の家政婦さんを拾ってしまいました。
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