あの人と私

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「っ!大丈夫ですかっ!」 やっぱり具合が悪かったのだろうか。 でなければこんなとこに大の大人が寝転がるわけが無い。 私は、慌ててその人に声をかけた。 「ぐっ…うぁ……」 その人は苦しげに顔を歪める。 どうしよ、どうしよう。救急車を呼ぶべき?とりあえず声をかけ続けるべき? 急に苦しみ出したので、パニックになってしまう。 とにかく救急車を呼ぼう。電話をしなければ。 急いでポケットから携帯をだし、救急に電話をする。 しかし、繋がらない。呼び出し音すらしない。 「っっなんで?!?!」 日本の首都、東京の住宅地のど真ん中。周りには電波を遮断するものは一切ない公園の真ん中。 にもかかわらず、携帯電話の画面は圏外と示していた。
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