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5月
それまでに彼と話したの1回きり。
私が『よろしくねっ』って彼に言って、それに彼はうなづいただけ。
その瞬間思った。
この人とは仲良くなれないって。
だけど、その考えが一瞬にして変わった。
それが、文化祭の天下カルタ大会。
その大会に出場する選手を決める時に、男女共にじゃんけんで負けた5人が集まった。
その中に、私と彼が居たんだ。
その5人の中で選手と補欠を決めて、彼が選手私は補欠。
一変関わることのないように思えたけど、偶然か運命か。
選手の1人が事情があって学校に来れなくなって、あたしが選手になったんだ。
そして、いざ関わってみると彼はとても面白くて、彼から話しかけてくれて、カルタが始まるまで色んな話をした。
まだぎこちなかったけどね。
けど、彼は下ネタはぶち込んできた。
私はまだ緊張してたから苦笑いだったけど。
彼は凄く面白ろくて、もっと色んな話がしたいと思えた。
土曜の補講終わりにカルタ大会の練習が何回かあって、
私は『早くカルタの練習が始まらないかな』って、
授業中にずっとワクワクしながら練習が始まるのを待ってた。
そしてカルタ大会の予選当日。
予選が始まる前に彼が私に『カルタ頑張りましょう』ってぎこちなく言ってきたんだ。
可愛かったな、なんか。
カルタの結果は残念だったけど、私はちょっと嬉しい発見があった。
それは、彼が一生懸命国語便覧を見てカルタの百人一首を覚えようとしてる姿を見れたから。
初めて見た。
彼が一生懸命何かに取り組む姿。
初めて知った。
彼が凄く負けず嫌いとゆうこと。
カルタに負けた彼は凄く悔しがってたけど。
私は色んな彼の一面が見れて、何だか凄く嬉し気分になれた。
そして、カルタ終わりに一緒に正門の下まで帰ったことを彼はきっと覚えてないだろうけど、私は鮮明に覚えてる。
彼が私の携帯の色と自分の携帯の色が同じだと言ってくれたこと。
お互い手を小さく振って別れたこと。
おかしいでしょ。
1年が経とうとしてるのにこんなにも覚えてるなんて。
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