いただきます

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男の体臭が鼻につく、不快感が身体を伝い、鳥肌が立つ。 「臭いんだよ、のきやがれ、あぁあぁあぁあ」 手足を地面にたたき付け、のこぎりを振るうけれど、残りの男達に手首を抑えつけられ、没収された。 がちがちと、歯を打ち、「はなせ!! はなせ!!」 わめき立て、地面を蹴る。 「おい、手錠をしろ、あと鎮静剤、急げ!!」「はい」 即座にがちゃりと、銀色の物体が私の両手にはまり、手錠? 聞き覚えある言葉、引っ張ってみても、取れない。 「お兄ちゃん、助けて、この人達、歩をいじめる、歩、何も悪いことしてないのに、ねぇ? お兄ちゃん、助けて、歩のこと助けてよ」 お兄ちゃんは、答えない、ただ、ぼーっと眺めてる、私を見てない。 見てない、役にたたない、必要ない、自然と涙が溢れてた。 「お兄ちゃん、助けて、お兄ちゃん、私、頑張ったよ、お兄ちゃんのためにたくさん、『お人形』持ってきたよ、私、いっぱいいっぱい、女の人を『お人形』したよ、いらなくなった『お人形』全部、食べたよ、お兄ちゃん」 「…………」 無言だった、茫然自失のまま、男に肩を押され、離れていく、ぷすりと、腕に注射バリを刺され、何かが私の中を侵食する、意識が遠退く。 構わず、手を伸ばす、繋いで、とって、握って、「お兄ちゃん」まぶたが重い、「お兄ちゃん」それでも、伸ばす。
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