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このままだったら、一族の繁栄に関わる自体に重鎮連中は、渋々、重い腰を上げたのが、3年前、お兄ちゃんが19歳、私、18歳の時だった。
階段をかつかつと一歩、一歩下りて、二階から一階に到達、地下室に続く扉を開く。
「一族の家督は、長男が二十歳と同時に就任するのがしきたりなっていた」
けれど、世間一般には、人里離れた、医院で病の療養というのが、お兄ちゃんに下された処遇だった、もちろん、表向きのお話で事実は違う、このお屋敷という牢獄にお兄ちゃんを半永久的に縛り付けるのが真の目的、お兄ちゃんが生きていれば、一切、波風立つことなどなく、有能な代理人を用意して、一族の舵取に仕立て上げることが出来る、お兄ちゃんはお払い箱にされたというわけだ、本人の意志に関係なく。
「でも、私にとって、それは好都合」
妹の私にとって、お兄ちゃんの、監視役・世話係を押し付けられたのは好都合だった、だって、一族が滅ぼうが栄えようが、私の未来なんて変わらない、いつだって、いらない物扱いの憂き目に合うことぐらいわかりきっていた。
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