ある日の放課後

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「人間というのは不思議なものね。赤信号では立ち止まらなければならない、というルールが存在する一方で、車が来ない道路は赤信号でも渡ってしまう。車が来るか来ないか、という明確な判断基準があるのなら、信号が存在する意味なんてないんじゃないかしら?」 「それ、堂々と信号無視をかました奴の台詞じゃねえな。言い訳にしか聞こえねえよ。」 さっさと赤信号を渡り終えた近条 美麗(きんじょう みれい)に小走りで追いついた俺は、溜息と共に文句を吐き出す 「それはそうと、今日返された模試の結果はどうだった?頭の悪い私は数学で一問間違えてしまって98点だったのだけれど」 「死んでしまえ」 俺の数学の点数は75点。これでもよくできたほうだったのに… 「相馬クンは頭は悪くないのだから、もっと効率よく物事を進める方法を学んだほうがいいわ」 「そこまで効率が悪いって自覚はないんだけどな」 「そうかしら?この前の昼休みだって…」 「ごめんなさいそのことは話さないで下さい」 人間誰にでも振り返りたくない苦い失敗はある …ホントにあるよね? 黒歴史的なあれが
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