ある日の放課後

6/6
前へ
/9ページ
次へ
近条美麗は頭が良い 学力的な意味合いは勿論、人間的な面においてもだ 唯、最も顕著に見て取れるのがテストだというだけ それは三年間学力テスト学年一位という数字にも表れている (身近に比べられる対象がいるってのは結構キツいもんだな) 中途半端な自分に幻滅し、軽く鬱になりながら俺は帰宅した 俺のうちはごく普通の一軒家と呼んで差し支えないだろう 家族構成は父、母、姉、俺の四人家族 割合仲睦まじく暮らしているのではないかと思う 姉は二つ年上で大学二年。地元の難関国立大の文学部に通っている たしか西洋哲学かなんかを専攻していた気がする この姉、実は美麗に匹敵するほど頭がいい そのため家の中で姉と比べられることも多く、肩身の狭い思いをすることもある それでもおおむね家族関係は良好 俺自身が争いを嫌い、なるべく相手の意見にあわせようとする性格のためか、喧嘩らしい喧嘩もしたことがない ああ、仲良きことは美しきかな、だ
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加