天国と地獄

とりあえず動こう。

看板にはなんて書いてあるんだ？

俺はまるで初めて歩くかのような感覚で看板に近づいた。

「こちら天国」

そう書かれていた。

そして看板の奥に扉がある。扉に近づくと幸せそうな声が聞こえる。

キャハハハ！アハハハハ！

楽しそうだ。思わず入りそうになった。

ふと、我に帰り、あっちはどうだ。と思った。

その数メートル先にある看板にはこう書かれていた。

「こちら地獄」

そしてその奥の扉からは、

ウワァァァアアアアアアｯｯ！！
ギャアーーー！！

悲鳴声が聞こえる。

こんなところ行くわけ無い。

そう思って天国に行こうとした。
すると、天国の扉は列が並んでいた。
順番待ちだ。馬鹿馬鹿しい。

なんで死んでからもこんなこと,,,,,。

そうだ、俺は死んだんだ。

ふとそう思った。今さらそんなところ行っても俺は死んでるんだ。

そう思った。そして、俺は列につくのを止め、地獄行きの扉を潜った。

最後に天国という欲に眩んだ死人を土産に、扉を潜った。