12人が本棚に入れています
本棚に追加
和人が流行りの歌を口ずさむ頃には、酔いもまわり追いかけっこですら楽しくなる。
つい数ヶ月まで夕方になれば家路についた。そんな事すら忘れ、夜な夜な遊ぶ。大人になった気さえする。
「ちょっと、あなた達。こんな時間に何をしているの!」
和人は聞き覚えがある声に、体が凍りつく。公園の入口で、薄暗いライトを浴び母親が立っていた。
「お隣の三木さんから電話があったわ。お宅のお子さんが飲んで暴れてるって」
お隣……そういっても、昔から大した近所付き合いはしていない。
「別に、暴れてねぇし」
和人はプイッとむくれる。
「暴れてないとしても、お酒はダメでしょう?」
母親はベンチの上に散乱する缶ビールを拾い始め、他の三人を睨んだ。
最初のコメントを投稿しよう!