He that nothing questions nothing learns.

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――ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ。スゲーダサい。 和人は自分のベッドで横になっている。 昨夜、母親を殴り明け方まで近所をブラついた。帰宅後、かなりの時間寝たはずなのに目を覚ませばとてもダルい。 ケイタイの時計は午後二時。昨日まで母親は学校があると起こしに来ていた。それが今朝は現れなかった。 よっぽど凹んでいる。 和人はそう思うと、胸がチクリと痛くなる。 よく考えてみれば初めて殴った。しかも思いっ切りだ。 フラフラとしながら和人はリビングに向かう。 母親の姿がない事を確認するとホッとして、体温計と風邪薬とスポーツ飲料を持って部屋に戻った。 ――三十八度。 ベッドに戻るとケイタイが鳴り響いた。 『今日は六時にFRIENDEYに集合!』 楓真からメールが届く。
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