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楓真は高校へは行けない。多分、その腹いせもあるのだろう。
家はとても貧しく、例え頭が良かったとしても、なかなか普通の高校へは通わせて貰えない。
他の仲間とは違い、小学校に入学した時からの古い付き合いなだけに、手に取るように気持ちが分かる。
「本当にアイツら馬鹿だよな。受験勉強したところで、高校なんてなくなるのに」
楓真がケラケラと笑った。
コンビニの駐車場でしばらく話し合った後、楓真は立ち上がる。
「そろそろ行かね?」
ローカル線の駅前に唯一あるコンビニに、中学生は目立ちすぎる。
八時を過ぎる頃には、仕事帰りのサラリーマンやOLの視線が気になり始め、四人は和人の家から一番近い公園へと足を運んだ。
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