Little by little one goes far.

6/11
前へ
/44ページ
次へ
楓真は高校へは行けない。多分、その腹いせもあるのだろう。 家はとても貧しく、例え頭が良かったとしても、なかなか普通の高校へは通わせて貰えない。 他の仲間とは違い、小学校に入学した時からの古い付き合いなだけに、手に取るように気持ちが分かる。 「本当にアイツら馬鹿だよな。受験勉強したところで、高校なんてなくなるのに」 楓真がケラケラと笑った。 コンビニの駐車場でしばらく話し合った後、楓真は立ち上がる。 「そろそろ行かね?」 ローカル線の駅前に唯一あるコンビニに、中学生は目立ちすぎる。 八時を過ぎる頃には、仕事帰りのサラリーマンやOLの視線が気になり始め、四人は和人の家から一番近い公園へと足を運んだ。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加