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「穴場を発見ってヤツ?二つ向こうの駅をちょっと行った場所に、ババァが一人でやってる酒屋があったんだ」
「今時、防犯カメラもないなんてな」
楓真が言うと、柚樹と恒太がゲラゲラと笑った。
和人は顔が引きつった。
「なぁ、まさか万引き……」
「気にするなって。ちゃんとガムは買ったから」
楓真はポケットから封の開いたガムを出す。
「笑えるんだぜ。どうしても欲しい菓子があるから調べてくれって言ったら、奥の部屋に行きやんの」
「そうそう。その隙に缶ビールをゲットした訳よ」
「正直、つまみの一つもイケたんじゃね?」
三人はゲラゲラと笑い話をした。
「万引きは犯罪だぞ」
和人がそう言うと、場は一瞬で静まり返る。
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