第2章

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多分彼方の性格から考えると、僕と太一をふたりっきりにしてくれたんだろうなあ。 彼方…………、ごめん。 この機会を無駄にしないように、頑張ろうと心に決めた。 「ね、僕ノープランなんだけど、どこいく?」 「……適当にそこらへんまわってみよーぜ」 その言葉の通り、他愛ない話をしながら歩き回っていると、少しだけ大きめのゲーセンについた。 僕たち三人、小学生からここの常連だ。 音ゲーをプレイしている勇者を見たりなど、用がなくても三日に一回は来ていた。 ……やっぱり行き着くのはここなんだよな。 「やっぱりここに行き着くんだな」 「え!?」 「ん、どうしたんだよ」 「……い、や……考えてること同じだったからっ」 びっくりした。 心を読まれたかと思って、かなり動揺してしまった。 「そーなの?」 「うん……心読んだ?」 「……そうだよ、テレパシー使った」 「……はいろ」 僕は、運動も勉強も人並みにはできる。 手先は器用な方なので、割りとなんでもできる。 ただ、苦手なものもある。 そのひとつがこれだ。 「お前さ、もうやめとけよ」 「やだ! もう一回する」 「……お前、自分でこれ下手だってわかってるだろ?」 「わかってるけど! とりたいのー。いつも太一が色々とってくれてるでしょ?」
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