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「お前らさ、清水高校でいーの?」
俺の机に集まった2人に話し掛ける。
遠慮なく一緒にいられる関係、女子がいうならいつメンとかいうやつだろう。
「いいんじゃねーの? 今さらどうしようもねーし」
「彼方の馬鹿に合わせた感じだけどね」
「確かに、ユウだったらもっといいところ行けたな」
彼方より頭いいしな。と続けて、俺の顔を見てきやがった。
待て待て、反論がある。
「それについてはスライディング土下座だけど、太一は俺と学力一緒だろーが」
「太一も案外馬鹿だからね」
「彼方よりぜってえましだわ」
卒業直前で浮き足立ってる頃、幼なじみの俺たち3人は、同じ高校に進むことが決まっていた。
しかし、俺と太一は、学年でも下から数えた方がはやい位置にいる、いわゆる馬鹿だったので、頭の良いユウが合わせてくれた、ということになる。
「僕からすると、太一も彼方も一緒だよ」
「……ユウはほんと、毒舌がなければかわいいよ、止めてみたらどうだ」
「僕、別に毒舌じゃないよー? かわいくもないし。ねえ、太一?」
「俺に振るな」
と、そこで話が中断されることになる。
クラスの女子が、祐輔くーんとユウを呼んだからだ。
「はいはい、じゃ、行ってくるね」
……アイツは、ほんとうにもったいない。
俺たち以外には毒舌ではないので、可愛い系男子のユウはクラスの人気者である。
とはいえ残された俺たち2人も日の当たる位置にはいるのだけれど。
ユウは男女共に愛されている。
「なんでユウって俺たちにだけ毒舌なんだろ?」
「さーな。幼馴染みだからじゃね」
「昔は言葉も可愛かったのにね」
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