第1章

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「お前らさ、清水高校でいーの?」 俺の机に集まった2人に話し掛ける。 遠慮なく一緒にいられる関係、女子がいうならいつメンとかいうやつだろう。 「いいんじゃねーの? 今さらどうしようもねーし」 「彼方の馬鹿に合わせた感じだけどね」 「確かに、ユウだったらもっといいところ行けたな」 彼方より頭いいしな。と続けて、俺の顔を見てきやがった。 待て待て、反論がある。 「それについてはスライディング土下座だけど、太一は俺と学力一緒だろーが」 「太一も案外馬鹿だからね」 「彼方よりぜってえましだわ」 卒業直前で浮き足立ってる頃、幼なじみの俺たち3人は、同じ高校に進むことが決まっていた。 しかし、俺と太一は、学年でも下から数えた方がはやい位置にいる、いわゆる馬鹿だったので、頭の良いユウが合わせてくれた、ということになる。 「僕からすると、太一も彼方も一緒だよ」 「……ユウはほんと、毒舌がなければかわいいよ、止めてみたらどうだ」 「僕、別に毒舌じゃないよー? かわいくもないし。ねえ、太一?」 「俺に振るな」 と、そこで話が中断されることになる。 クラスの女子が、祐輔くーんとユウを呼んだからだ。 「はいはい、じゃ、行ってくるね」 ……アイツは、ほんとうにもったいない。 俺たち以外には毒舌ではないので、可愛い系男子のユウはクラスの人気者である。 とはいえ残された俺たち2人も日の当たる位置にはいるのだけれど。 ユウは男女共に愛されている。 「なんでユウって俺たちにだけ毒舌なんだろ?」 「さーな。幼馴染みだからじゃね」 「昔は言葉も可愛かったのにね」
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