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「あんた、どこから来たの?」
高校の入学式当日。
電車に乗って高校につき、教室に入った俺たち3人は、出席番号順に並べられた机に座った。
3人揃って1年1組ではあったのは、多分学校側の配慮だろう。
偶然にしてはできすぎだ。
太一とユウは番号が繋がっていたが、ひとりだけ番号が離れていた俺は窓際の席に座った。
すると後ろの席の明るいやつが声をかけてきた。
「んー、桜山だよ」
そうかー、と彼は頷いた。
「よろしくな、俺は大分波留っていうの」
「俺は石川彼方。彼方って呼ばれてる」
「んじゃ、彼方な! 俺も普通に波留って呼ばれてる」
「よろしく」
いきなり打ち解けた。
後ろのやつが、明るくてよかった。
ふたりと離れてしまったし、前は女子で、喋りかけにくかったのだ。
「波留は、同中のやついないの?」
「あー、いるんだけど、あんま仲良くないってか。話したことなかった」
「ここのクラス?」
「うん。あそこの子」
波留が指差したのは、眼鏡の女子だった。
波留とは正反対のタイプだろう。
他にいるのかときくと、いないと返ってきた。
「だからさ、前が彼方でよかったわ。彼方は? 同中のやついる?」
「うん。あそこのふたり。俺だけ番号離れちゃってさ」
あとで紹介するよというと、そこで担任らしき人が入ってきた。
担任が来るなり、集まっていた生徒たちはそれぞれの席へ向かって、静かになった。
「揃ってるなー、よし、体育館行く前に名前を言っておく」
えらいごつめの先生だな、と思った。
名前は坂下というらしい。
いい人そうな担任だ。
「じゃ、行くか。退屈かもしんねえけど、寝るなよ?」
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