第1章

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思った通り、3人はすぐ打ち解けた。 波留は、俺らが通っていた中学の隣の学区に住んでいるらしく、途中まで一緒に帰ることになった。 しかし、駅のホームの前で足が止まった。 「え、電車? リッチだな。俺金持ってないわ」 「あー、俺と太一は明日から歩き。電車は、今日だけなんだよ」 と、そこでユウが明るい声を発した。 「二手に別れようよ!」 反対する理由がなかったので、その提案にのった。 そして……。 「運がよかった! ラッキー」 「よくよく考えると僕は元から電車でよかったんだよね」 まあ、どうせ電車なんだけどと、隣でユウが言う。 じゃんけんでわかれた結果、俺とユウが勝ち組で電車、太一と波留が負け組で歩きになった。 「ユウはずっと電車だよなー。羨ましい」 「いいでしょ。でも二人と一緒に行きたいってのもあるけどね」 俺と太一は毎日電車で通うなんかは無理である。 ユウだけが電車通学だ。 「でも、結構駅のホームとマンションが離れてるんだよね」 「これちょっとダルいな」 とぼとぼと歩きながら言う。 式だけだったので、午前中で学校が終わったため、腹のなかには何も残っていなかった。
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