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早く昼飯が食いたいと思って、俺が歩くスピードをあげると、対象的にユウが止まった。
「ユウ? どしたの」
「……あれさ」
初めて見たよと、ユウが指差したものを見る。
いやいや。
一度目を逸らす。
いやいや。
もう一度見る。
「俺、あんなん考えたことなかった」
「二人とも結構イケメンだよね」
もう目を逸らせなかった。
目線の先には、熱く、しっかりとお互いを確かめあいながら、キスをする人。
「いやいやいやいや!! 俺たち冷静すぎる!!」
目を逸らせなかったのは、その二人が両方男性だったからである。
何回も確認した。絶対にそうだ。
「ほんとにあるんだね、男同士」
「ユウ冷静すぎるわ!! なに安心したみたいに言ってるんだよ?」
「実際、安心したよ」
「……は?」
とりあえず、二人で逃げた。
ユウのマンションの近くまできたくらいで、ユウが立ち止まった。
「ねえ、彼方。軽蔑しない?」
「え? しないけどどうしたの」
ユウが真面目な顔をして、こちらを向いた。
「え、なに? これ。茶化せない」
「あのさ。僕」
ユウは一度深呼吸して、衝撃発言をかましやがった。
「……好きなのかもしんない」
「なにが?」
「………………太一」
…………………………は?
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