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あまりにも突拍子がなさすぎて、回り回って逆に冷静になる。
「…………いつから」
「中3の後半?」
疑問系で返してきたユウに、対応できなかった。
彼の次の言葉を待っていたのだが、思いのほか気まずいので、言葉を発する。
「恋愛的な意味で?」
「…………多分」
「どこが好きなの?」
「全部かな」
「まじで?」
「やっぱりおかしいかな? 男なのに」
「……別にいいんじゃね。たまたま、男だっただけだろ」
正直に、驚きはすごいのだが、そんなことを言えるわけがない。
沈黙のなか歩いていると、ユウのマンションについた。
「まあ、あれだ。相談してもかまわないです」
「よろしくね」
「応援してる?」
「僕にきかないでよね」
笑いながら手を振るユウの背中を、何も言えないまま見つめた。
高校の入学式に、なんてことをカミングアウトされるんだ。
ひとりで昼御飯の親子丼を作りながら考える。
ユウは急になにを思ったのか。
そこまで考えて、路上のキスを思い出した。
……本当に、あるんだ。
ああいうのは、はじめてみたのだ。
ユウも恐らくそうだろう。
ユウと太一と一緒にいるのが、なんとなく気まずくなりそうだなと、感じた。
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