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そして、その日の夜。
寮の部屋へ向かう途中、皐月くんに聞いた話では。
生徒会、風紀、学年主席には1人部屋が割り当てられるということ。
僕はもちろん1人部屋だ。
試験も首席だろうが何より、理事長の弟だ。
隣の部屋は皐月くんと愛くんだった。
皐月くんは親衛隊に襲われかけた過去があるため、学園側が考慮して1人部屋に。
愛くんは親の権力だ、と恥ずかしそうに言っていた。
それでも、危害を加えてこない相手が隣人で助かった。
*
さっさとシャワーを浴びて部屋着に着替えた僕は、パソコンに向かっていた。
理由は簡単。
BLの王道展開を勉強するためだ。
だから、まず愛くんに電話をかけた。
昼間に連絡先は交換済みだ。
「愛くん、僕にBLの王道を教えてくれませんか」
そういうと、愛くんは快諾してくれた。
身を守るために、知識は必要だ。
よく言うだろう?
知識は損得の問題じゃない。
生きるための武器だ、って。
言わない?
そうか。
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