プロローグ

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酷い雨が降っている。辺り一面がびしょ濡れで大粒の雨水が、建てられてもう古いこの病院の薄い屋根を、ボタボタと重く叩いている。 そう僕は今、これから死ぬであろう自分の祖母のお見舞いに来ている。 祖母とはあまり面識がなく、出会ったこともほとんどない。母が言うには僕が出会ったのは僕が生まれて間もない頃に一度だけ。 母は仕方のないことだと、昔、一度だけ同じ質問をした僕に言ったのを覚えている。
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