どうでもいい話

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こんな田舎でしょ、自治会に入ってもらいたいから、話をつけてくれって。 自治会長さんから私が頼まれたのよ。 タヌキ爺ぃ、自分で行けっての。 怒鳴られる覚悟で行ったら拍子抜けだったわね。 最近、若い子は近所付き合い嫌がるでしょう。 それがハイハイって、軽くて人懐っこくてね。 話ができて嬉しいって、声をかけても誰も捕まらなくて困ってたって、笑いながら話してくれた。 何のことはない、普通のヒトだった。 何かあったらいつでも夕飯食べにいらっしゃいと声をかけたのね。 私の亭主はその時居なかったから、気楽なものでね。 いやいや、半分以上社交辞令よ。 その後にどうなるかなんて考えてもいなかった。
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