どうでもいい話

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意外なことだけど、ユウジは仕事を持ってないわけじゃなかったの。 書家だとは、本人は決して名乗らなかったけれど。 不器用そうな外見からは想像のつかない字を書いてた。 本当にたま~にね。 ちゃんと宣伝して、沢山仕事取りなさいと叱ったことがあるんだけどね。 学生の時の怪我で左目が見えないんだって言って、寂しそうに笑ってた。 今は右目の調子も良くなくて、急ぎの仕事は無理だとも。 私はそれ以上何も言えなかった。
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