いち

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七色の輝きを放つ小さな塊が浮遊している。 正六角形から様々な図形に変化し続けるそれらは、数えることもままならない程自然に、そして不思議に分裂や合体を繰り返している。 個々では一切の規則性の無い塊。 しかし、集合体となれば、ある規則がみえる。 軌道だ。 それらは"彼"を中心として、円を描くように公転している。 鮮やかでありながら、しかし上品な桃色。 そんな特徴的な髪色の彼の頭上には、1つの王冠が輝いている。 それは正真正銘、ある大国の王族の次期国王を表す物であった。 今現在彼がいる場所からかなり遠方にあると知られる【リグゼンブルー帝国】 これは、彼…つまり 【歴代最高の王子】 の、ちょっとした暇潰し。 いわゆる、"家出"から。 いわゆる、"失踪"から。 いわゆる、"遊び心"から。 始まる物語である。
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