2人が本棚に入れています
本棚に追加
七色の輝きを放つ小さな塊が浮遊している。
正六角形から様々な図形に変化し続けるそれらは、数えることもままならない程自然に、そして不思議に分裂や合体を繰り返している。
個々では一切の規則性の無い塊。
しかし、集合体となれば、ある規則がみえる。
軌道だ。
それらは"彼"を中心として、円を描くように公転している。
鮮やかでありながら、しかし上品な桃色。
そんな特徴的な髪色の彼の頭上には、1つの王冠が輝いている。
それは正真正銘、ある大国の王族の次期国王を表す物であった。
今現在彼がいる場所からかなり遠方にあると知られる【リグゼンブルー帝国】
これは、彼…つまり
【歴代最高の王子】
の、ちょっとした暇潰し。
いわゆる、"家出"から。
いわゆる、"失踪"から。
いわゆる、"遊び心"から。
始まる物語である。
最初のコメントを投稿しよう!