いち

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本来なら姿見の術でも使って様子を見物するところだが…。 「面倒だしいっか」 適当に考えをまとめたところでふと顔をあげると、遠目にある看板が目についた。 お察しの通り、ギルドだ。 かなり巨大な建物なこのギルドはリグゼンブルー帝国にいたときにも聞いたことのある名前。 英雄ギルド 初めて聞いたときは何かの冗談だろと耳を疑ったほど奇妙なネーミングセンスだと思ったが、フィリア王国で稼ぐならやはりこのギルドに加盟するべきなのだ。 そう自分を納得させ目の前の扉に手をかける。 金属製の扉に取り付けられている小さなベルが、心地よい音を響かせた。 落ち着いた内装とは相容れず騒がしい室内。 昼間だってのに大きなジョッキを抱え騒いでいる奴等が大勢いた。 案外酒はピンからキリまであるようだ 。 まあリグゼンブルー帝国の酒の方が親しみがあるから、ソフィア王国の酒の良さはそこまで詳しくないんだけどね。 カウンターにいる同世代だと思われる若者に近づき声をかけてみた。 やっぱりこれからは敬語を使うべきだろうか? 「あのー、加盟申請にきたのですが」 「あ、新規の方……でしたかそうでしたかぁ…。じゃ、この書類に必要事項を記入してください」 渡された書類を確認してゆっくりと記入していく。 名前……どうしようかな…適当でイイか、うん。 ディー・ブルー 年齢不詳っと、 属性……さすがに全部です☆とか言えないから… 時と闇と雷で
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