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本来なら姿見の術でも使って様子を見物するところだが…。
「面倒だしいっか」
適当に考えをまとめたところでふと顔をあげると、遠目にある看板が目についた。
お察しの通り、ギルドだ。
かなり巨大な建物なこのギルドはリグゼンブルー帝国にいたときにも聞いたことのある名前。
英雄ギルド
初めて聞いたときは何かの冗談だろと耳を疑ったほど奇妙なネーミングセンスだと思ったが、フィリア王国で稼ぐならやはりこのギルドに加盟するべきなのだ。
そう自分を納得させ目の前の扉に手をかける。
金属製の扉に取り付けられている小さなベルが、心地よい音を響かせた。
落ち着いた内装とは相容れず騒がしい室内。
昼間だってのに大きなジョッキを抱え騒いでいる奴等が大勢いた。
案外酒はピンからキリまであるようだ 。
まあリグゼンブルー帝国の酒の方が親しみがあるから、ソフィア王国の酒の良さはそこまで詳しくないんだけどね。
カウンターにいる同世代だと思われる若者に近づき声をかけてみた。
やっぱりこれからは敬語を使うべきだろうか?
「あのー、加盟申請にきたのですが」
「あ、新規の方……でしたかそうでしたかぁ…。じゃ、この書類に必要事項を記入してください」
渡された書類を確認してゆっくりと記入していく。
名前……どうしようかな…適当でイイか、うん。
ディー・ブルー
年齢不詳っと、
属性……さすがに全部です☆とか言えないから…
時と闇と雷で
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