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どうすればいい?そんな事、タケルにもわかるはずがなかった。
「わかんねぇよ……わかんねぇよ!」
タケルはボックスの壁を思いきり殴りつけた。ガラスに見える透明の板は傷ひとつつかない。
その様子を少し離れたボックス内にいる仲間達が心配そうにタケルを見ていた。その中の一人が静かな声で言う。
『落ち着けキャプテン。今あんたが冷静さを欠いたら、俺達は全員死んでしまうぞ』
プロフィール通りほんっと冷静だなー。ムサシの冷静な発言にリリは口には出さなかったが、心中で呟く。
「む、ムサシ……」
くっ、何をやっているんだ自分は。こんな事になって、皆だって不安に決まっているのに!
タケルは少しだけ落ち着きを取り戻す。今の状況は、夢でも幻でもなく現実なのだ。
今自分達を襲っている理不尽の正体がなんなのかも知っている。そして、それへの対応も。
逃げも隠れもできない。これは命のかかったゲームなのだ。
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