第一のゲーム

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タケルの表情が引き締まるのを確認したムサシは、ふぅと息をついてそして……その残酷な内容を話し始めた。 「このゲームは……何もしなければキャプテン。あんた以外が全員死ぬ。全員だ」 ごくりと唾を飲む音が聞こえた。それが、自分が発した音なのかそれとも他の誰かのものなのかタケルにはわからなかった。 俺以外が、全員が……死ぬ? 「だが……何かすれば……キャプテンは死ぬ。どっちかだ。俺達側全員の死か、キャプテンと誰かの死か……」 「……っ、それを……それを選べっていうのかよムサシ?選べるのかよっ!?」 「じゃなきゃ全員死ぬぞ?この番組が、冗談なんかじゃないって……わかってるだろう?」 ムサシの言う通りである。頭ではタケルも理解していた。しかし、選べと言われて選べるものじゃない。 どうしようもない。そんな雰囲気が漂っているのを感じる。実際にどうしようもないのだ。 このゲームは、『タケル以外の全員の死』か『タケルと誰かの死』をもってしか止めることはできない。
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