第一のゲーム

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「お母さぁん、もうすぐ始まっちゃうよ?」 「え、もうそんな時間だったかしら?」 娘の呼び掛けに母親は慌てて家事を中断して、テレビの前のソファーに座る。隣には中学校に入ったばかりの娘と、小学6年生の息子がいる。 三人は待ちわびる様にテレビを凝視していた。もうすぐ始まる、と期待に胸を踊らせていた。 「お母さん、お兄ちゃんはまだ学校?」 娘が母親に訊ねる。 「まだ部活なのかしらね……あ、始まったわよ?」 その一言で素早く娘は顔をテレビへと向ける。
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