第一のゲーム

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「お~っと、皆気合バッチリだねー!?空回りして破産しないように気をつけてねー」 観客に手を振り、笑顔を振り撒く少女。そんな姿を、家族は画面越しに見ていた。 初めはおっかない番組だと敬遠しがちだった母親も、娘に熱心に勧められ、今では見過ごせないくらいにはまっていた。 「司会はお馴染みのリリちゃんが務めまーす!ピースッ☆」 ウインクをしながらカメラに向かってブイサイン。いつも通りの番組進行だった。 「さてさて、今回皆さんのハッピーの為にアンハッピーになってくれる方々のご紹介!」 リリが両手をいっぱいに広げると、暗幕がゆっくりと開かれる。いつも通り、いつも通りのはずだった。 しかしそれを見た瞬間、家族は硬直する。
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