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「今回のゲストは×××高校テニス部の仲良し7人組でーす!」
『×××高校テニス部』
それを聞いた瞬間、母親は目眩に似た感覚を覚えた。娘は呆然とテレビを見て、息子は食い入る様にステージを見つめていた。
暗幕が開かれたそこには、学生服を着た6人の少年と1人の少女。その一人には、家族は見覚えがあった。
いや、見覚えがあるなんてものじゃない。今までずっと一緒に過ごしてきた家族なのだ。
「う、嘘よ……」
母親は消え入りそうな声で呟いた。嘘であってほしかった。
もしこれが今まで通りの番組なら、息子の生き残る可能性は半分もないのだから。
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