始まり

2/5
前へ
/12ページ
次へ
いつものように、お昼休みには図書館へ向かった。 いつも通り図書館を利用する人は少なく、見覚えのある人ばかりだ。 …でも、名前は知らない。 私は、昨日読んでいた読みかけの本を棚から取り、自分の指定席へ向かった。 指定席と言っても、勝手にいつも座っている場所で、窓辺の角っこだ。 春なので陽が当たって暖かいし、窓からは風が入って来る。 そこで、物語を読むのが私の日課だった。 でも今日は先に誰かが座っていた。 知らない人だ。 少し癖のある真っ黒な髪の男の子。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加