真っ赤な人影

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最初見たときは、そんなに違和感とか変なモノって感じはしなかった。だってただの人影だったんだもん、背丈はたぶん小学生とかそれくらいだったかなぁ、赤いってことを除けばね。 だからただの来客だと思って玄関を開けようと、ほんと硝子一枚のとこまで近づいたんだわ。 そのときノックする手が硝子越しに良くみえたんだよね。真っ赤な人の手がさぁ。 ほんとに真っ赤だった、赤い手袋とかでなくて、真っ赤な素手。 このとき「あ、これは人じゃないな」ってやっと気づいたのよ。 ただ、もう気づいた時は遅かったんだよねぇ、だって玄関開けようと近づいてるわけじゃない、 だから向こうにも見えちゃったんだよね、、、私が。 近づいてる私の存在に気づいたそれは、この後、もの凄い勢いで玄関をノックしだしたんだわ。 コンコン、コンコンコン、コンコンコンコンコンコン、コンコンゴンゴンゴンゴンゴン、 ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン。
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