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「なあ雨森、お前そう言えばどこから引っ越してきたんだ?」
通学していると鷲羽が突然そんな質問をしてきた。まあ、ここで本当の事を漏らしたりするようなへまはしない。いちおう親が俺の経歴的なのを作っておいてくれたからそれ通りに答えればいい。
「隣の市だ。家からだと少し遠いからこっちに越してきた。」
よし完璧。これで鷲羽も納得するだろう。
「なるほどな。あ、隣の市ってことは俺の実家と同じか」
「そ、そうか偶然、だな」
これは意外だった。まさか鷲羽の家も隣の市とは……
だがまあこれは大した問題じゃないはずだ。実家に行く流れにならなければいいんだ。
「なあ雨森、いきなりでなんだが下の名前で呼んでもいいか?」
「別に構わないけど、なんで?」
「名字で呼び合うより下の名前の方がよそよそしく無いからさ」
「なるほど。んじゃあ改めてよろしくな、えーと、京谷」
「おう、よろしくなカズ」
友達(仮)と少し仲良くなった気がした。
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